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SONHOUSE BOX コメント


 日本において、ブルースが本質的に血肉化したバンドは、サンハウスだけである。嘘だと思う者は、ライヴを体験することが一番なのだが、(東京においては、11月2日に一日だけ再結成されたが)サンハウスをまた体験できるかは、分からない。が、このボックス・セットには私がそう言い切れる<音>、つまり<歌と音>が、一体化した<音楽>が、記録されている。ディスク1は、ファースト、セカンドにあたる「有頂天」と「仁輪加」が収録されており、このバンドのテーマ曲たる「キンクスネークブルース」から始まり名曲「レモンティー」や菊氏が、サンハウスのベスト3に入れる「あて名のない手紙」等々、肉体の内から発せられる音を体験できる。ディスク2には、サード「DRIVE」と当時未発表曲集の「STREET NOISE」を体験でき、特に「カラカラ」における疾走感は、ロックンロールの極みである。ディスク3は、74年京都・拾措得でのライヴと未収録シンクルで構成されており、注目は、2曲の未発表だが、何よりも、このバンドの演奏の高さにドキドキさせられる。ビデオは、75年ライヴだが、御世辞にも状態の良いフィルムではないが、ディスク2の前半とティスク3とこのピデオによって、私が最初に述べたライヴにおけるサンハウスをバーチチャルで体験出来うるものだと確信する。最後に、各メンバーが今でも満たされることなく<音楽>をやり続けていることに感謝したい  
(ジャケットはテイチクからリリースされているサンハウスのポックス・セット「SUNHOUSEBOX」)。
文=近藤慶
update 2000/09/24